2015年8月27日木曜日

リトルリーグとトラベルリーグ

アメリカの少年野球は大きく分けて2つのグループがあります。

一つはリトルリーグ。地域ごとにチームがあり、年齢と住所の条件を満たせば、希望者は野球の上手い下手に関わらずほぼ全員が入れます。監督・コーチは無報酬ボランティアで、大抵は選手の父親がやることが多いです。

他方、トラベルリーグというものもあり、これはクラブチームに近いです。チームに入るにはトライアウトを受ける必要があり、監督・コーチはそれが仕事です。その名の通り、遠距離遠征もしょっちゅうあります。

リトルリーグは練習はそこそこに試合中心で楽しむことが目的でレクリエーション・ボールとも呼ばれます。リトルリーグと比較すると、トラベルリーグは練習の頻度も多く、勝負に拘る傾向があります。

当然ながら、野球のレベルは概してトラベルリーグの方が高いのですが、野球好きな子が必ずしもトラベルリーグに所属しているとは限らず、親の意向や本人の好みでリトルリーグを選択するケースも少なくありません。

私の息子は5歳のときから8年間、ずっと同じリトルリーグで野球をしてきました。
野球は大好きでも、体も小さく、特に運動能力に秀でているわけでもないので、小さい頃はチーム内で1,2を争うヘタッピでした。
それでも飽きもせず毎年続けているうちに、段々と同年齢の中では上手い部類に入っていき、昨シーズンは最下位チームのエースでクリーンアップ、という位置まで来ました。

とは言えレベルが低いリトルリーグの中での話だったのですが、なんとも恐ろしいことに、こんな子供の野球でもスカウトや引っこ抜きの世界がありまして、とあるトラベルリーグから誘いがあり、トライアウトを経て、この秋からトラベルリーグに移ることにしました。

トライアウトの日、あいにく私は不在だったのですが、連れていった妻はみんな14歳以下の筈なのに全員が180センチ以上あるように見えるとびびっていました。息子は私と同じ160センチしかありません。

息子が所属するチームは地域の大会で優勝経験もあり、そこそこの強豪のようです。
練習は平日週4回、日曜はダブルヘッダー、休みは平日の1日と土曜だけ、ということで、
確かにリトルリーグ時代よりは多いですが、日本の部活に比べたら大したことはありません。
練習も2時間以内ですし。

ただ、コーチが説明してくれた練習の内容が、私からするとかなり変わっています。
バッティングケージで打撃のみの練習日が1日、野球場で守備練習だけの日が1日、1日は陸上競技場でダッシュ中心の走り込み、もう1日はジムでウエイトを使ったインターバルトレーニング、なんだそうです。
つまり週4回の練習日と言っても、毎回場所を変えて、野球のボールに触るのは2回だけです。

こうした練習がトラベルリーグでは一般的なのか、それともこのチームが特殊なのかはよくわかりませんが、私としては断然支持したい内容です。
ボールを打ったり捕ったりする技術はもっと成長してからでも出来ると思いますし、枝葉の技術より何よりアスリートとしての能力を上げてほしいとかねがね思っていましたから。

はたして、お遊び的な雰囲気で野球をやってきた息子がついていけるかどうかはわかりませんが、出来るだけ練習や試合につきあって、このやり方をよ~く観察してみようと思います。
どっちにしても車社会のアメリカ、興味があろうとなかろうと親の送迎は不可欠なのです。